日本慢性期医療協会が2022年4月から2023年3月の期間に実施した調査結果を簡潔にまとめ、課題を整理します。
調査概要
対象期間:2022年4月~2023年3月
対象施設:日本慢性期医療協会会員の医療機関および関連施設
回答数:350施設(病院309、介護施設等41)
総病床数:58,966床
主な調査結果
人材紹介会社の利用状況
医師:
新規入職者数:738人
紹介会社経由の入職者数:189人(利用率25.6%)
紹介手数料の平均:2,168,925円/人
看護師:
新規入職者数:3,188人
紹介会社経由の入職者数:1,193人(利用率37.4%)
紹介手数料の平均:809,615円/人
介護福祉士:
新規入職者数:700人
紹介会社経由の入職者数:202人(利用率28.9%)
紹介手数料の平均:730,751円/人
紹介手数料の総額と分布
紹介会社を利用した施設数:271施設(全体の77.4%)
総支払手数料:22億1,301万1,868円
1施設あたりの平均手数料:8,122,885円
手数料総額の分布:
3,000万円以上:9施設(3.3%)
2,000万~3,000万円未満:19施設(7.0%)
1,000万~2,000万円未満:47施設(17.3%)
500万~1,000万円未満:64施設(23.6%)
100万~500万円未満:96施設(35.4%)
50万~100万円未満:27施設(10.0%)
10万~50万円未満:6施設(2.2%)
10万円未満:3施設(1.1%)
課題
人材紹介会社への依存度の高さ:多くの施設が人材確保のために紹介会社を利用しており、特に看護師や介護福祉士の分野でその傾向が顕著です。
紹介手数料の負担:紹介手数料の総額が高額であり、施設経営におけるコスト負担が大きいことが示されています。
職種間の利用率の差:職種によって紹介会社の利用率や手数料に差があり、特に理学療法士や作業療法士などのリハビリ職種では利用率が低い傾向があります。
これらの課題に対処するためには、施設内での人材育成や採用活動の強化、効果的な人材確保戦略の構築が求められます。
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